資産運用を始めてみよう!と思って調べているときにぶち当たるのが、iDeCoとNISAどっちがいいの?問題。
結論からお答えします。
アラサー女子は
つみたてNISAを選ぶべし!
普通の人は、つみたてNISAから始めましょう。
iDeCoはお金が余ってしょうがない…という人なら検討の価値あり。
この記事では、なぜつみたてNISAを選ぶべきなのか、なぜiDeCoはダメなのかについて、投資初心者さん向けに紹介していきます。
iDeCoとNISAは「投資信託」へお得に投資する制度

そもそも、投資信託がよくわからないんだよね

投資信託は初心者さんにオススメの金融商品の名前。
略して投信と呼ぶこともあるよ!
投資信託はデパコスのコフレ
まずはiDeCoとNISAが一体どんな投資なのかを知っていきましょう。
iDeCoとNISAは、どちらも「投資信託」という金融商品をお得に購入するための制度の名前です。
iDeCo | 投資信託をお得に買える制度 |
NISA | 投資信託をお得に買える制度 |
投資信託 | 金融商品 |
正確には、iDeCoやNISAを使って投資信託以外も購入できます。
しかし、投資初心者さんなら投資信託を購入するはずなので、ここでは投資信託を買うための制度、と思っておいてください。

さっきから出てくる投資信託って何?

金融商品のパッケージ製品のことだよ
投資信託は、いろいろな金融商品を組み合わせてパッケージ化された製品のこと。
イメージで言うと、デパートコスメのコフレみたいなものです。
コフレは各ブランドがコスメをパッケージ化して販売しますが、あれの金融商品版が投資信託です。
投資信託にはいろいろ種類があるので、自分で好きな中身のものを選んで、投資したい金額だけお金を払います。
そうすると、その選んだプランの担当者である投資のプロ(ファンドマネージャー)が、あなたが預けたお金を代わりに運用してくれんです。
投資信託の詳しい説明は投資の始め方で紹介しています。
iDeCoは自分で作る年金
iDeCoとは、自分で作る年金のこと。
「自分で老後に備えてくれるの!?ありがとう!じゃあ税金安くしとくわ!」と、国が税金を優遇してくれるんです。
その代わり、年金なので60歳まで引き出すことができません。
最低投資金額は5000円で、上限は勤務先や雇用形態などによって異なります。
iDeCoの特徴はこちら▼
制度利用年数 | 60歳まで※例外もあり |
最低投資金額 | 5,000円 |
投資金額上限 | 勤務先や雇用形態によってまちまち |
メリット | とにかく税金が安くなる |
デメリット | 60歳まで引き出せない 投資額の変更が面倒 会社員は会社に書類提出が必要 |
老後に備えられて税金も安くなる。
めっちゃ素敵な制度そうですよね。
安くなる税金は3つ。
- 掛金の所得控除(投資したお金を所得税から引ける)
- 運用益が非課税(利益が出たらまるっともらえる)
- 受取り時に年金or所得控除(投資したお金がまるっともらえる)
ちょっと言葉が難しいので、かみ砕いて説明していきますね。
iDeCoを使って投資したお金は、所得から引いていいですよ~という優遇。
この優遇によって年収が下がるので、結果として税金が安くなります。
投資をして利益が出ると、通常20%の税金がかかります。
つまり、100万円利益が出ても80万円しかもらえないの。つら。
だけど、iDeCoを使って投資した分は、この20%課税がなしになるんです。
iDeCoは年金なので、60歳になったら今まで投資してきた分を受け取る必要があります。
※70歳まで受け取りを遅らせることもできる。
普通はこの受取時にも税金がかかるんですよ。どんだけ税金かかるのよ。
だけど、iDeCoを使って投資した分は、受取時の税金もなしになります。

すごくお得じゃない!?iDeCoやらないと損じゃん!

必ずしもそうとも限らないんだよね。あとで説明するね!
まずはNISAについても知ってみよう!
NISAはへそくり
NISAとは、いうなれば投資を使ったへそくりのようなもの。
「投資するの!?いいね!年間上限額以内の投資なら税金安くしてあげる!」と、国が税金を優遇してくれるんです。
iDeCoが年金目的での資産運用であることに対し、NISAの利用目的はなんでもOK。
いつでも好きな時に引き出せるし、最低投資額は100円から。
自由度が高めです。
NISAのややこしいところは、NISAの中に一般NISAとつみたてNISAの2種類があること。
太く短い制度。
自由度が高く、投資信託だけでなく株やETFを買うこともできます。
投資信託の購入方法も一括購入と積立購入が選べます。
投資期間は最長5年、1年間で120万円まで投資ができます。
細く長い制度。
少し自由度が低く、投資信託を積立購入することしかできません。さらに購入できる投資信託は金融庁が選んだものだけ。
自由度が低い分投資可能期間が20年と長く、1年間に40万円まで投資ができます。
長期で積み立てることでリスク分散され、選べる商品は金融庁のお墨付きのものだけなので、初心者さんでも取り組みやすいのが特徴です。
どちらか1つしか使うことができません。(1年ごとに変更するのはOK。)
投資初心者さんで株式に興味がないなら、つみたてNISAを選んでおきましょう。
株をやりたいなら一般NISAを選ぶっていう選択肢も…まあありです。
NISAの特徴はこちら▼
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
一般NISA | つみたてNISA | |
制度利用年数 | 5年 | 20年 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 |
投資金額上限 | 年間120万円 | 年間40万円 |
メリット | 投資信託だけではなく株やETFも買える。利益にかかる税金がなし。 | 買えるのは投資信託だけ。利益にかかる税金がなし。 |
デメリット | 少額年間120万円も投資しないなら、つみたてNISAの方がいいかも。 | 積立投資で投資信託しか買えない。 |
一般NISAを使って投資信託を積み立てていくことはあまりないので、この記事では、iDeCoとつみたてNISAを比較していきます。
NISAで安くなる税金は1つ。
運用益が非課税
(利益が出たらまるっともらえる)
iDeCoと違い、毎月の投資額を年収から引くことはできません。
そのため、iDeCoの方が税金が安くなってお得!と言われています。
iDeCoとNISAはどっちがいいの?
投資初心者ならつみたてNISAを選ぼう
iDeCoとNISAで悩んだ場合、投資初心者さん、特にアラサー女子の場合はつみたてNISAがオススメです。

えっiDeCoの方が税金安くなってお得そうじゃない!?

実はiDeCoって結構リスクが高いの…
ここまでの説明だとiDeCoの方がお得に見えますが、実はiDeCoはリスクが高い制度です。
それを納得したうえで節税効果に魅力を感じるなら、iDeCoを利用するのもあり。
しかし、「税金がお得になるから」という理由だけでiDeCoを選ぶのはちょっと危険かもしれません。
iDeCoのデメリット
iDeCoは年金目的で資産運用するため、60歳まで資産を引き出すことができません。
これがiDeCoの最大のデメリットです。

え!すぐ引き出せると使っちゃうから、むしろ魅力的なんだけど…
iDeCoがすぐに引き出せないことによるデメリットは、大きく2つあります。
- 損切りできないので、大きくマイナスになる可能性がある
- 資金がブロックされることは大きなリスク
損切りできないので、大きくマイナスになる可能性がある
ちょっと考えてみてください。
自分が60歳を迎えた時に、リーマンショックやコロナショック級の暴落が起きたケースを…。
せっかくコツコツ何十年と貯めてきた資産が、大きくマイナスになってしまう可能性があります。
その後回復するまで待てるなら、逆にこういった暴落は大きく資産を増やすチャンス。
しかし、株価の回復を待たずに、資産を引き出さなければならなくなる可能性もあります。。
もし、つみたてNISAのようにいつでも引き出せる状態なら、大きくマイナスになる前に現金化してしまうことができます。
しかし、iDeCoの場合は60歳まで引き出せないので、ちょいマイナスのタイミングで資産を救出できず、大きくマイナスになってから受け取ることになる可能性があります。
資金がブロックされることは大きなリスク
投資において、資産の流動性がない=資産がブロックされることは、大きなリスクであると考えます。
iDeCoはその最たる極み。
なんてったって、30歳からiDeCoを始めたら最短でも30年間資金をブロックされるわけです。
この30年で世界経済はどうなるかわからないし、30年後に日本政府がどうなっていてiDeCoがどう扱われるかもわからない。
仮に最低額の5,000円の投資だったとしても、30年間続けると元本は180万円です。
この180万円を、30年後まで引き出せないギャンブルに突っ込むより、いざという時は引き出せるつみたてNISAで運用した方がリスクは低くなりますよね。
(つみたてNISAの運用期間はMAX20年だけど。)
投資を始めるなら、節税効果よりもリスクヘッジを重視しよう
たしかに、iDeCoはつみたてNISAより節税効果が高いです。
その一方で、60歳まで資産を引き出すことができないのは大きなリスクでもあります。
目先の利益に囚われてiDeCoを始めることで、資産運用のチャンスやリスク回避の機会を潰してしまい、結果としてはつみたてNISAより損をする可能性もあるのです。
iDeCoはダメじゃない。
だけど、長い目で見た場合はリスクが高いので、投資初心者さんはまずはつみたてNISAから。
お金に余裕があるならiDeCoも始めてみる、という順番がオススメです。
iDeCoが激推しされる理由には裏がある
ところで、世の中ではつみたてNISAよりもiDeCoをオススメしている人や企業が多いと思いませんか?
これ、実は裏があるんです。
iDeCoは金融機関によって手数料が大きく異なっており、この手数料で儲けている人たちがいます。
なんと、1番安い手数料と1番高い手数料の金融機関を比較すると、30年間で11万円の差が出てしまうんです。
関連記事【2020年】イデコ(iDeCo)の手数料が最も安い金融機関は?
最安値はSBI証券、楽天証券などのネット証券、メガバンや地銀は高くなりやすい傾向にあります。
iDeCoナビの比較表を見ると、手数料の違いが分かりやすいですよ。

]iDeCoの方がいいからオススメされてるんじゃなくて、金融機関が儲かるから勧められてるんだね

そうそう。
個人で勧めてる人は、お金目的の他に知識不足の場合もあるよ
実は、個人でiDeCoをオススメしている、インスタグラマーやブロガー、金融機関以外の企業もお金目的のケースが多いです。
その人の紹介リンクから口座を開いてもらうと、お金が入るんですよね。
本当は、iDeCo以外の商品をオススメしても成果になるのですが、iDeCoは「節税になります!」と勧めやすいのでiDeCoを推してるんじゃないかな~…なんて見てて…思うけど…。
また、オススメしている方の知識不足というケースもあります。
「節税できる!すごい!みんなにも教えてあげよう!」と思って紹介しているけど、iDeCoのデメリットやつみたてNISAとの比較までは気づいていないんじゃないかな…という発信もよく見かけます。
iDeCoが悪なわけではないですが、結構デメリットもあるので、その辺りはあらかじめしっかり納得された上で投資することを推奨します!