
株式投資のバイブルと言われる、会社四季報。



四季報には、上場している約3700社の企業情報が載っているので、とにかく分厚い!
さらに、小さなスペースに大量の情報が入っているので、用語が難しかったり略語が使われたりしていて、読みづらいですよね。
そこで、初心者さんに会社四季報の前に読んでみてほしいのが「業界地図」。
会社四季報と同じく東洋経済新報社が出版している、業界を視覚的に捉えるための書籍です。
業界地図のメリットは3つ。
- 業界の特徴が図で視覚的に把握できる
- フルカラーで読みやすい
- 会社ではなく業界単位で紹介されているので、知識がなくても理解しやすい
先日、東京証券取引所で開催された業界地図のセミナー「はじめての『業界地図』~かんたん読み方講座~」に参加してきたので、そこで教えてもらった業界地図の特徴や読み方を詳しく紹介して行きます!
業界地図ってどんな本?
業界地図は、東洋経済新報社が1年に1回出版している書籍です。
各業界の現状や今後の展望などが地図のようにまとまっており、業界研究に役立てることができます。
投資にはもちろん、就職活動や転職活動、企画やマーケティング、経営戦略、教養など、業界地図はあらゆる分野で活用できますよ。



時事ネタや教養に強くなれば、難しい話題でも話が弾むようになるよ!
業界研究をする時の業界地図の使い方



どうやって使ったらいいの?



投資に使いたいなら、数字や企業の関係性にも注目してみよう!
お天気マークを使って業界の将来を読む
業界地図の右端には、6種類の天気マークがついています。
この天気マークは、業界地図の記者さんが業界全体の動向を予想しているもの。
直近と次年度の2期分を予想しているので、今後どのように変化していきそうかも把握することができます。
また、天気マークの下には解説コメントもあり、端的に業界動向を把握することもできます。



企業の関係性を視覚的に把握する
業界地図は、企業同士の関連性を視覚的に把握するのにも便利です。
ただのネット情報からは見えない関係性が見えてくることも。
たとえばヤフー。
ヤフーはアスクルやZOZOを買収したのが記憶に新しいですが、なぜ買収に踏み切ったのか。
それは、ヤフーはAmazon、楽天に次ぐ万年3位で、上へあがるために物流システムを持つ企業が欲しかったからではと言われています。
業界地図を見ると、Amazon、楽天が持っていてヤフーがまだ持っていないのは、食品系だということがわかります。
このことから、ヤフーは次に食品系を買収するのでは?という予想が立てられます。



実は、買収される会社は株価が上がりやすいという性質があります。
買収はTOB(株式公開買い付け)で行われるので、公表価格まで株価が上がる傾向にあります。
つまり、今のうちにヤフーに買収されそうな食品関連の企業に目をつけて株を保有しておけば、TOBのタイミングで株価が一気に上昇する…かも?
「注目の〇〇」から探す
業界地図には、「注目の会社」や「注目の経営者」といった「注目の〇〇」という小見出しがついていることがあります。
この「注目の〇〇」は面白い企業が多いので、チェックしてみると思わぬ優良企業を発見できるかも。
例えば「陸運・物流」の注目の会社として取り上げられている「丸和運輸機関」。
この会社は、出来高による高額年収を用意して人材不足が叫ばれるドライバーを積極的に確保したり、要望が細かくて取引を嫌がり大手が撤退したこともある、アマゾン向け物流を拡大したりと、物流業界の中でも特徴的な動きをしている会社だそう。



業界地図を読むときに知っておきたい用語
証券コード
上場しているすべての企業に割り振られたコード。
社名の後ろについている謎の番号のこと。
ほぼ業界ごとに番号が振られている。
証券コード一部抜粋▼
1300番台 | 農林水産業 |
1500番台 | 鉱業 |
2000番台 | 食品 |
8300~8800番台 | 金融・証券・保険・不動産 |
9400番台 | 情報通信 |
9600~9900番台 | サービス業 |
など。






覚えていると検索する時に速いけどね。
売上と3つの利益
売上高
会社の規模を表す。
営業利益
本業の稼ぎを表す。
経常利益
事業利益全体の稼ぎを表す。
通称「けいつね(経常)」。
純利益
最終的に企業に残る利益。
[cat_box01 title=”売上と利益をOLに例えると…”]
- 売上高…本業+副業の収入
- 営業利益…OLの月収
- 経常利益…OL月収+副業収入
みたいなイメージです。
※厳密にはちょっと違います!
[/cat_box01]
投資初心者さんは業界地図を使って、投資対象を絞り込もう!
業界地図は、業界や会社の知識があまりなくても、読めばなんとなくいい感じの業界や会社がわかる優れもの。
四季報に比べて読みやすいので、初心者さんはまずは業界地図で気になる会社を絞り込みましょう!
ただし、業界地図に載っている情報は一部。
実際に投資するときは、業界地図だけでなく、ネットの情報や四季報もチェックするとなお良しです。
まずは業界地図を読んでみましょう。
投資だけでなく教養も身に付きますよ!
東証セミナーに参加してみよう!
今回の業界地図の情報は、東京証券取引所が開催しているJPXセミナー「はじめての『業界地図』~かんたん読み方講座~」の内容です。
東京証券取引所では、初心者~中級者向けのセミナーを豊富に開講しています。
基本的には無料のマネーセミナーへの参加はあまり推奨していませんが、東証セミナーはオススメです!
公正中立な立場から、お金や投資、経済の基礎が学べます。